Member
Shoji KUDO(Assistant Professor)
キーワード:結晶化、結晶粒子群製造
モノづくりや資源回収に貢献する結晶化プロセスの構築
食塩や砂糖、チョコレートなどの食品から、医薬品、化粧品など、身の回りには結晶化を利用して製造される製品や結晶を原材料とする製品が沢山あります。結晶製品ではなくても、製造過程での精製や資源回収などでも結晶化は広く利用されています。本研究室では、結晶製品の品質を左右する結晶粒径や粒子形状などの結晶特性を幅広くつくり分けられる方法、高効率な製造方法、結晶化技術に関連する解決すべき問題に取り組んでいます。
研究内容
冷却晶析でのスケール形成の現象解明と防止策の構築
溶液を冷却して結晶の粒子群を製造する結晶製造手法(冷却晶析)は幅広く用いられていますが、装置の冷却部分に結晶が析出するスケール形成が問題になります。当研究室では、懸濁している結晶粒子の大きさや形、冷却方法などに着目してスケール形成の現象がどのようにして起こるか解明しながらスケール形成の防止策を研究しています。
蒸発晶析での食塩製造の高効率化に関する研究
日本では、かん水という濃縮された海水を煮詰めて、水を蒸発させて食塩を製造しています。この食塩製造技術は成熟した技術ではありますが、国際的な食塩の価格競争や不安定なエネルギー情勢などを踏まえると、先を見据えてより高効率に食塩製造することが求められます。そこで、食塩製造装置を運転する際の装置内の結晶量を増やすことが手段の一つとして考えられます。しかし、装置内の結晶量を増やすことで凝集、凝集を起因とする食塩の純度低下などが課題になることが考えられます。当研究室では、食塩製造で問題になり得るそのような課題について取り組んでいます。
結晶粒子群特性の制御手法の開発
結晶の粒子群は、一粒一粒大きさや形がある結晶粒子からなっています。結晶粒子の大きさや形、また結晶構造(結晶内での分子の充填配列)などの特性は、結晶を使用した製品の性能や製造時の結晶粒子群の扱いやすさ、生産効率に影響します。当研究室では、これらの結晶特性を制御しながら溶液から結晶粒子群を製造する方法の開発に取り組んでいます。
多成分相図を用いた溶液法による共結晶の選択的晶析と粒子群特性の制御手法の操作設計
共結晶は、2種類以上の分子が1つの結晶格子を構成する結晶で、医薬品製造分野や光学材料分野で注目・期待されています。一方で、共結晶を構成する成分はともに結晶化成分で、複数の結晶化成分からなるゆえに、共結晶のみを選択的に析出させ、かつ共結晶の粒子群特性の制御をするためには複雑さが伴います。当研究室では、溶液法で多成分相図に基づいて選択的に共結晶を析出させるための操作設計ならびに、析出方法と粒子群特性との関係の整理を試みています。
研究室ホームページ
https://separation-chemeng-lab.jp