教員紹介

五十嵐 香(教授)

IGARASHI, Kaoru

< テーマ I > 固溶体

 二つのイオン結晶が固溶体を形成するか、する場合の相互固溶の割合の多寡を、簡単な 基準で判断する方法を提案する。下記の熱電体はその実用的応用である。

< テーマ II > 熱電体

 温泉の多い日本では地熱のある箇所が多いはずだが、地熱発電はあまり行われてきていない。熱電体は一回のエネルギー変換で熱エネルギーを電気に変える物質であり、大規模な道具立てを使わずに発電ができる。温度 差に比例する電気を発生するので、地熱と谷川の冷水があると良い。

どういう化合物にすれば熱電性の高い物質になるのか、その物理学的な理論が未だに存在しない。それゆえ我々は、熱電性を有する既知の硫化物 を基にして固溶体をつくって性能を測定し、硫化物の固溶体組成と電気性の関係を総合的な知見として構築し、化学的に打開して行くことを目指す。

< テーマ III > 導体

天体、極地、工場などの厳しい環境下で使える電線が求められたとき、金属に代わる選択肢を用意しておきたいと私は考えている。セラミックの ReO3 は 金属 Cu に近い電気伝導率を持つが、Reはほとんど手に入らないほどの希少元素である。これに代わる物質の合成を目指している。